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夏の庄内浜 岩牡蠣、ニシガイ、イゲシ、スルメイカ

7月から8月まで、東北地方一帯でトロール漁船(大型船舶)は禁漁期間に入ります。その為、魚は小型船で獲れる鯛やアマダイ、そして他の小さめの魚になります。

この時期の庄内浜の主力は、貝類と海草、そしてスルメイカになります。
貝類は、岩牡蠣、サザエ、バイ貝、イガイ、ニシガイ。
海草は、もずく、いげしです。

「岩牡蠣」は、秋田県の天王の岩牡蠣も有名ですが、庄内では、遊佐町の吹浦、鶴岡市の由良などのものが多く出回っています。
吹浦の岩牡蠣は需要が多い分、値段も高くなりますが、幾分安価な由良近隣の岩牡蠣も十分大きくおいしいものが手に入ります。

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イガイやニシガイはご存知でしょうか?
内陸に住む方はあまり馴染みがないかもしれません。
イガイとは、黒い2枚貝で中身はオレンジ。よくダシが出て味噌汁にしてよく食べられています。
ニシガイも定番は味噌汁。岩場でよく見かける巻貝で、少し苦味がありますが、こちらもよく旨みの出るので、味噌汁の具の定番になっています。

海草では、もずくを酢の物料理などでご存知の方が多いかと思います。
スーパーなどにはよく沖縄産のもずくがありますが、そちらは「クロモ」と 呼ばれ、食感は庄内産に比べ柔らかいものです。庄内の天然もずくは、ぬめりが強く、しゃきしゃきとした歯ごたえがあります。

イゲシ(エゲシ)は、緑や赤っぽい色の海草で、生のうちはもずくのようなとろみは殆どなく、洗ったものを味噌汁にさっと入れて、食べます。熱い味噌汁に長い時間入れておくと、とろけてしまいますので、その前の少ししゃきっとした食感があるうちにいただくのがオススメです。
ちなみに、庄内では茄子の味噌汁に入れるのが定番となっています。

最後は、スルメイカ。
酒田は日本でも有数のイカの水揚げ漁港です。
船には冷凍設備があり、獲ったイカは船上ですぐに冷凍されます。
能登半島から北海道、シベリアへと北上するスルメイカを何ヶ月も追いかけるので、鮮度を保つこの設備があるおかげで、酒田港にあがるスルメイカは、新鮮なまま市場に卸されます。
地元で獲れた生のイカは買い付けるとすぐに店舗などに流通させないと、鮮度が落ちて白くなってしまいます。
当社では、小売店へ卸す以外は干物に加工しています。冷凍を一度もかけないで作るイカの干物は食味が全く違いますので、一度試してみてください。

株式会社手塚商店新社屋に引っ越したばかりの手塚商店。
この日の話は、加工部長の五十嵐氏と鮮魚部の斎藤氏。斎藤氏は、近海ものの買い付けを担当しています。