夏季限定商品「吟選夏新蕎麦」と「夏のさくら」発売のお知らせ

【夏季限定商品
「吟選夏新蕎麦」と「夏のさくら」発売のお知らせ】

いつも辻蕎麦をご愛顧いただきまして、ありがとうございます。
さて、今年も夏新蕎麦の時期となってまいりました。
辻蕎麦でも8月9日より「吟選夏新蕎麦」と「夏のさくら」(夏新そば前酒セット)のリリースを開始します。
夏新の玄蕎麦が終了するまでの夏季限定商品となりますが、秋の本格的シーズンより一足早く新蕎麦の味を楽しめます。
この時期だけの爽やかな甘みと香りの「夏新蕎麦」と「夏のさくら」を是非お楽しみください。

詳しくはホームページをご覧ください>>

2021年7月~8月 辻蕎麦便り

「えっ、ベニバナの花が白い?赤いから紅花というんじゃないの」。
花の色が白いベニバナが咲いていると言われ、一瞬聞き間違えたのではないかと思いました。

ベニバナの花を見たことの無い人はとかく誤解しがちなのですが、別に真紅の花をつけているわけではありません。
黄色っぽいオレンジ色といった感じです。
ベニバナの花には黄色のサフロールイエローと紅色のカルタミンという2種類の色素が含まれており、この色素の割合がサフロールイエロー99%に対し、カルタミンは1%ですから黄色っぽく見えて当然なのでしょう。
もっとも枯れ始めるころになると次第にオレンジから濃い赤に変色してくるようです。

まさか白いベニバナがあるとは考えもしませんでした。
ベニバナの開花期は7月上旬です。
山形県内各地のベニバナ栽培地で行われる紅花祭りもほぼこの時期に行われます。
話を聞いたのは下旬に入ってからで、通常ならもう咲き終わっています。
ところが辻蕎麦から東に4、5㌔離れた天童市上貫津のベニバナ畑に行けばひょっとしたら目にすることが出来るかもしれないというのです。

山裾の段々畑に広がるサクランボやリンゴなどの果樹地帯を貫く道路を走っていくと、その一角に紅花畑がありました。
遠くに残雪を抱く月山がうっすら望めます。
花の大半は既に枯れており、残ったものも黒っぽい赤に変色し、みすぼらしい姿になっていました。
どこに白いベニバナが植えられているのか、なかなか見当がつきませんでした。
しばらく見回していると、完全に枯れて茶色に変色しているもののオレンジでも赤でもない花が。
ひょっとしてこれか。
ためつすがめつ眺めていたら、突然1輪だけ白いベニバナが目に飛び込んできました。
周囲に比べて茎が短く、隠れるような感じで咲いており、小ぶりの花がかすかな風に揺れ動き実に清楚な感じがします。
幻じゃない証拠にと、しっかりスマホで撮影。
焼けつくような猛暑日にわざわざ足を運んでくれてご苦労さんとでもいわれているようでした。

インターネットなどで調べたところ、米沢市の草木染染織作家の山岸幸一さんが20年ほど前、自分のベニバナ畑に咲いている数本の白い花を発見。
長年かけて隔離育成し、増やしてきたそうです。
農林水産省に品種登録もされています。
突然変異だったのでしょう。
身近にあるものでも案外知らないことは多いですね。
来年はぜひ開花期に訪れ、本来の色と白のコントラストを楽しみたいと思っております。

(2021/07/30)