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◇ 断熱工事「基礎知識編」 |
【断熱材はなぜ必要なのか?】
熱は、暑→冷へ移動します。
私たちは夏は冷房を、冬は暖房を使用します。室内と室外に温度差が生じると、熱は暑→冷へ移動するのです。
つまり、温度差が生じる(冷暖房をつける)と熱は移動するので、冷暖房をかければかけるほど、熱を逃がしていることになります。
室内と室外の熱の移動を少なくする役割を果たすのが断熱材です。
断熱材を入れることで、冷暖房のコストを少なくしエコに生活することができるのです。
【断熱材の選び方】
断熱材には沢山の種類があります。羊毛やコットン・再生紙からプラスティック系の断熱材、繊維系の断熱材など沢山の断熱材があります。
断熱材には、熱の伝わり安さを示す熱貫流率という数値があります。熱貫流率は数字が大きいほど沢山の熱を伝えることを意味します。熱貫流率は小さければ小さいほど、その性能が良いということになります。
では、熱貫流率が小さい断熱材を使用すればいいのでしょうか?残念ながらそれだけでは不十分です。
例えばグラスウールでも熱伝導率が0.05W/m・kのものと0.034W/m・kのものがあります。
同じ10pの厚さのグラスウールを使用した場合どちらが良いのでしょうか?
この場合、熱抵抗値(W/m2k)=厚み(m)÷熱伝導率(W/m・k)という熱の伝わりにくさを表す数値を使います。この熱抵抗値は、数値が大きいほど熱を伝えにくい=性能が優れていることを表します。
0.05W/m・kの場合 |
0.1m÷0.0.5W/m・k=2.0W/m2k |
0.034W/m・kの場合 |
0.1m÷0.034W/m・k=2.94W/m2k |
同じ10pの厚みだと、0.034W/m・kの方が性能が良いことが分かります。
では、0.05W/m・kのグラスウールは悪いのでしょうか?そうではありません。
熱貫流率が大きい断熱材を使用する場合は、厚みを厚くすればいいのです。
例えばー
0.05W/m・kのグラスウールを15pの厚さにすると0.15m÷0.0.5W/m・k=3.0W/m2kとなり、0.034W/m・k 10pの断熱性能よりも高くなることが分かります。
以上のように、断熱材は何をどのくらい入れるのかが大切なのです。
また、使用場所によては使えない断熱材や、金額も大きく差がありますので、何を使うかはご相談頂ければよいかと思います。
【建物全体の断熱性能を考える】
建物には、断熱材が入っている所だけではありません。窓やドア、隙間や換気によって熱は逃げていってしまします。この家全体からどれくらい熱が逃げているのかを示す数値をQ値=熱損失係数といいます。
この熱損失係数は、数値が小さいほど建物の断熱性能が優れているということになります。
では、この熱損失係数をどのくらいの数値にしたらよいのでしょうか?
国で定めた基準で平成11年度省エネルギー基準というものがあります。各地域によって熱損失係数の数値が分かれています。山形県の場合、U地域とV地域に分かれております。
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U地域(寒河江市や村山市など) |
V地域(山形市や上山市) |
熱損失係数 |
1.9 |
2.4 |
こちらの数値よりも良いQ値かどうかがまずは断熱性能に関する一つの目安になります。
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【断熱性能の高い家に住むメリット】
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家中冷暖房をしていても、光熱費が冷暖房費は少なくてすみます。
家の中の温度が外に逃げにくくなるので、冷暖房費も少なくて済むのです。 |
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家中の温度差が少なくなるので、温度差が原因のヒートショックの恐れが少なくなります。
年間のヒートショックによる死亡者数は14000人と言われています。段差のフリー(バリアフリー)だけでなく、温度のバリアフリーをすることで、快適に生活することができます。 |
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断熱・気密・換気がしっかりしていると結露が少なく、結露→カビ・ダニの心配も少なくなる。
高気密・高断熱住宅だけど結露がすごいという方は、何か原因があります。結露には室内外の温度差や、室内湿度が大きく関係します。換気がきちんとなされていないことも大きな原因です。 |
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