| 八「この間手をけがして、どこへ行けばいいか悩んでね。整形外科ってよく聞くけど、あれは顔をきれいにしたり、目を二重にしたりするやつとは違うんだってねぇ。」 |
| 熊「それは、美容整形だよ。普通の外科と違って、整形外科は骨や関節とかの専門らしいよ。最近、タバコ屋の隣にできたやつだよ。」 |
| 八「じつはものは相談と、傷を診てもらうついでにそこの先生に持病のことを聞いてみたんだ。」 |
| 熊「なーんだ、ちゃんと専門に行ったんだ。持病って腰だっけ?」 |
| 八「最近また痛くてね。そこの若先生がどうしたって聞くから、腰が痛いんだ、朝、起きる時に痛くて、他の病院で薬をもらったが全然良くならねぇって…。いかに痛いか、こと細かく説明してやったんだ。痛いのはいつからだって聞くから、ずっと前からだって言ってやった。そしたら、具体的にはいつごろからかって言うから、また言ったんだ。ずっと前からだって。」 |
| 熊「…」 |
| 八「で、原因で思い当たることはあるかって聞くから、特別何もないって言ってやった。じゃぁ仕事はなんだとか、痛くなった前の日はどうだったとか、興信所みたいに誘導尋問みたいなことを言いやがる。そういえば痛くなった前の日は仕事が忙しかったかなぁ。」 |
| 熊「…」 |
| 八「足はしびれるかって聞くから、足はそんなんではないんだ、腰が痛くて痛くてって…同じ事をもう一度詳しくしゃべってやった。あの医者物覚え悪いんじゃないかぁ。」 |
| 熊「ちょっと待ちなよ、八っつぁん。違うんじゃないかい。大事なことは『いつから』痛くなったか、その原因として『思い当たることがあるかどうか』じゃないかい。」 |