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お腹の痛みにご用心

院長 佐野嘉紘

東山内科クリニック
院長 佐野嘉紘
(さの・よしひろ)
東山内科クリニック 院長 佐野 嘉紘

平成11年山形大学医学部卒業。
平成18年5月開業。内科、消化器科、小児科。
「生まれたてのクリニックで活気にあふれています。生活習慣病治療や内視鏡検査・治療、禁煙治療に重点を置いています。健診結果は当日にお渡しできます。清潔・バリアフリー・プライバシー重視をモットーにお子様や高齢の患者様にやさしいクリニックを目指しています。」

東山内科クリニック
〒996−0011 新庄市東谷地田町2−6
TEL:0233-28-1080

 内科医の仕事をしていて、風邪を除いて一番多い訴えがお腹の痛みのようです。今回はその中でも、上腹部の痛みについてお話します。上腹部をおおまかに右、左、中央に分けて、比較的頻度の高い痛みの原因疾患を紹介しましょう。
 
右上腹部痛
 痛みの原因として胆のう炎、胆石症があげられます。胆のう炎は、右の肋骨の下あたりに重苦しい痛みが出て発熱し、黄疸を伴うことがあります。こんなときはすぐに医師の診察を受けましょう。
 胆石症は、通常は痛みを出しませんが、発作では食後に右上腹部のぎゅーっとした痛みが出て徐々に治まります。発作が頻回の時や胆のう炎を併発する時は、手術の適応となります。


左上腹部痛
 ここは大腸のガスがたまりやすいところなので、ぎゅーっと痛んで治ることを繰り返す場合は、お腹のX線写真を撮ってもらいましょう。便秘とガスを同時に認めることが多く、下剤・ガスを流動的にする薬・整腸剤・腸の動きを良くする薬で改善する場合がほとんどです。ただし、ガスがたまる原因が腫瘍のこともありますので、自己判断は禁物です。


中央部痛(心窩部痛)
 背中の方が痛む時は、急性膵炎や膵臓がんが疑われます。この病気にかかると、不快な(時に激しい)痛みがだらだら続きます。

イメージ画像
 次に胃潰瘍や十二指腸潰瘍があげられます。これらは、市販薬で一時しのぐことができても、すっきり治ってしまうことはあまりありません。放置し、大量吐血や穿孔を起こして緊急手術まで至る場合もあります。ですから、胃潰瘍・十二指腸潰瘍と診断されたら、自己判断による薬の中止は絶対に避けましょう。

 それでは最後に、今回の一番のポイントをお話します。時々痛んで、胃の調子がずっと「なんとなく」すぐれない場合、皆さんはどうしていますか?市販薬ですぐに治ってしまえば、問題はなさそうです。胃内視鏡検査で胃粘膜の状態を確認できれば、安心できます。

 しかし、問題なのは、原因がはっきりしないまま、長い間市販薬を飲んで自己治療していたり、放置していたりした場合です。徐々に痛みが出て悪化し、我慢しきれなくなり来院。胃内視鏡検査をしたら…進行胃がん、となっていることもあるのです。このようなケースは、持病がなく健康に自身があったという方に多いようです。

 ポイントは「なんとなく」なのです。胃の調子が悪いのが続く場合は、市販薬を「なんとなく」続けるのではなく、一度、胃内視鏡検査を受けておくことをお勧めします。
 
 以上、上腹部の痛みを簡単にまとめてみました。吐血やがん、などと脅かしているように感じられるかもしれません。しかし怖いのは、大したことがないと思って我慢していたら、命にかかわる病気だったという場合です。これは上腹部の痛みに限ったことではありません。大した症状がなくても、あえて気にして、お医者さんに相談してみてはいかがでしょうか?胃内視鏡検査も採血検査も簡単にできる時代です。お腹の痛みにご用心。

※急激な痛みの場合、心筋梗塞や大動脈解離などの循環器疾患の初発症状のこともあります。今回は消化器分野のみのお話とさせていただきました。
【荘内銀行情報誌『凛』23 2006秋号 より転載】



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