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e-スタイル > お医者さんに聞いてみよう! > 知っておこう!「新型インフルエンザ」のこと 


 




ねもとクリニック
院長 根本 元
(ねもと・はじめ)
 ●山形大学医学部を卒業後、山形大学医学部第2外科、秋田組合総合病院外科、沖縄県立南部病院外科などを経て、長井市立総合病院外科部長。平成10年ねもとクリニックを開院。
 ●山形市医師会理事、山形警察医、山形在宅ケア研究会会長。

 ●医学博士。FMラジオモンスター「ラジオクリニック」のパーソナリティも務める。

ねもとクリニック
住所:〒990-0021
    山形市小白川町4−8−13
TEL:023−628−5656
内科・外科・循環器科・心臓血管外科・健康診断・生活習慣病相談・動脈硬化検査・漢方相談・往診可




 昨年2月メキシコで、通常の季節性インフルエンザや強毒性の鳥インフルエンザとは違う、ブタ由来の新型インフルエンザA(H1N1)が発生しました。4月には北米に広がり、5月には日本でも感染が確認され、6月にWHO(※1)は、世界的大流行(パンデミック)を意味する最高の「フェーズ6」を宣言しました。


 新型インフルエンザは、季節性とほぼ同じように、ウイルスが咳やくしゃみにより拡散して感染する飛沫感染が感染経路で、潜伏期間は1〜7日(平均3〜4日)。症状は、突然の38℃以上の発熱と関節痛、筋肉痛に加え、鼻汁、喉の痛み、咳など上気道炎症状がみられます。全身倦怠感など全身症状が強いのが特徴で、消化器症状が出たりもします。
  診断は、迅速診断キットを用い、喉もしくは鼻の穴を拭った検体から抗原検出を行い、必要な場合にのみPCR(※2)による確定診断が行われます。

 
 予防には、季節性と同様に、有効な新型インフルエンザワクチンの接種が最も重要であると言われています。
 優先接種対象者(基礎疾患を持つ人、妊婦、小児)から順次、ワクチン接種がなされており、その人たちが終われば、最終的に19〜64歳の健康な人たちにも順番が回ってきます。接種回数は、13歳未満の子供のみ2回で、それ以外は、持病のある人や妊婦も含めて1回です。国産のワクチンで足りない場合は、輸入ワクチンも選択されることになるでしょう。
 治療には、季節性同等、タミフルとリレンザが有効ですが、何よりも早期診断・早期治療が大切です。治療にもかかわらず症状が進行する場合は、早急に再度医療機関で受診することが必要になります。重症化する兆候には、頻呼吸、呼吸困難、血痰、胸部の痛み、精神状態の変化、低血圧、高熱が継続するといった肺炎症状や心不全症状があります。


 今回の新型インフルエンザA(H1N1)は、感染力・伝播力が強い一方で、発症時の臨床重症度は季節性と同程度であるようですが、決して「弱毒」と侮ることはできません。というのも、従来の季節性は高齢者を中心に0.1%前後の死亡率であるのに対し、新型インフルエンザは、WHOの発表では、本来健康な若者が中心でありながら1%近い死亡率を呈しているからです。
 まだ流行は続き、この1〜2年で全国民の50%以上が感染すると予想されています。万全の対処をとることが大切です。
    
※1 世界保健機関 
※2 検体中のインフルエンザウイルスの遺伝子を、数千万倍に増やして検出する方法。



【荘内銀行情報誌『凛』36 2010新年号 より転載】

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