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e-スタイル > お医者さんに聞いてみよう! > お口の健康で高齢化社会を乗り越える



歯科家中新町クリニック 院長
阿部 真裕
(あべ まさひろ)
歯学博士
鶴岡地区歯科医師会理事 医療連携担当
鶴岡市介護保険運営協議会委員
鶴岡市地域包括支援センター運営協議会委員


歯科家中新町クリニック
健康でより良い人生を送るためには、土台となるお口の健康維持が欠かせません。お口を一つの臓器としてとらえ、今やるべきことがあります。

● 住所:鶴岡市家中新町15−39
● TEL:0235−24−5151
● ホームページ:http://www.a-cli.com/


 高齢化社会を迎え医療費や介護費が膨らみ、近い将来行き詰まることが見えてきました。国は社会制度を守るため、医療と介護を一体化し対策を進めています。しかし、長期間寝たきりになる高齢者は日増しに増えています。
 このような中、「歯科」の活用が注目され始めました。日本人の死亡原因の第3位である肺炎について例を挙げると、口腔ケア(口の清掃)により誤嚥性[ごえんせい]肺炎(食物や唾液に含まれた細菌が気管から肺に入り込むことで起こる肺炎)を激減できることが、世界に情報発信されています。現在、さまざまな病院や介護施設で歯科を活用した積極的な取り組みが行われています。

 噛めなければ単に軟らかくした食事を、口から食べられないなら経管栄養(鼻や腹部からチューブを入れ栄養補給を行う)で栄養摂取すれば良い、という一見合理的とも思える考えが蔓延しています。
 これらは生命を守る際は大変有効で、日本の医療制度の中で普通に見受けられる素晴らしい対応です。しかし、この方法のみで長年、生活させようとすることは、歯科医から見ると不自然で忍びないことのように思えます。食事に対する喜びをいつまでも大事にしてほしいのです。
 最近は、口から食べることが大切であると、特に医療・介護の現場から耳にするようになりました。
 まず、噛むことで脳への血流が増加し、脳細胞の働きを活発にします。よく噛むと唾液や消化酵素がたくさん出て、口の中がきれいになったり消化を助けたりします。また、歯や口の状態が良いと噛みしめたとき力が出ます。このことが全身のバランスを取りやすくし、姿勢を保持したり歩行を助けてくれます。そして、会話しながら楽しく食べられれば、人とのつながりを長く保つことができます。健康寿命(健康で日常生活を送れる期間)の視点から見ても、口から食べることを軽視すると、運動能力の低下や認知症など全身と関連した問題も生じやすくなります。

 元気なお年寄りが増えることが、高齢化社会において極めて重要になってきます。体を動かし病気に打ち勝つ体力を維持し、これまで通り家族や友人と楽しい時間を過ごせることが大切ではないでしょうか。
 口が果たす役割や食事の大切さを理解し、高齢になるほど口の健康管理をし続ける必要があることを知っていてほしいです。ぜひ、元気なうちに歯科の健診を受けていただき、年齢を重ねていくことによる弊害(噛みにくい、むせやすい、飲み込みづらい等)に備えていきましょう。

【荘内銀行情報誌『凛』45 2014夏号 より転載】

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