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e-スタイル > お医者さんに聞いてみよう! > ピロリ菌と胃の病気



吉井内科胃腸科クリニック 院長
吉井 英一
(よしい えいいち)
東邦大学医学部卒業
平成12年5月 上山市に吉井内科胃腸科クリニック 開院
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本内科学会認定医


吉井内科胃腸科クリニック
現代社会はストレスが多いですが、よく飲み、よく食べ、よく寝て、よく遊び、よく笑い、ストレスをためないことが、胃腸の元気の源で、体の健康につながると思います。

● 住所:上山市金生東1-10-15
● TEL:023-673-7515
● 診療時間: 8:30〜12:00、14:00〜18:00
● 休診日:木曜日、日曜日、祝日


 最近、「ピロリ菌」という言葉をよく耳にするようになりました。正式名称は「ヘリコバクター・ピロリ」と呼ばれる、らせん型の細菌で、1982年にオーストラリアの医師らによって発見されました。
 ピロリ菌がヒトに感染する経路は、大部分が経口感染であり、汚染された飲食物が口から入り込むことで感染が成立します。
 ほとんどの場合、5歳以下の幼児期に感染すると考えられています。幼児期の胃は、まだ酸性が弱く抵抗力も未熟なため、ピロリ菌が持続感染(慢性的に感染していること)しやすいと思われます。ピロリ菌を保有する母から子への口移しなど、濃厚な接触によって感染する場合もあり得るため、注意が必要です。
 日本人のピロリ菌感染者は非常に多く、3、500万人と推定されており、高齢者ほど感染率が高くなっています。若年者の感染者が少ないのは、上下水道の普及等により井戸水の利用が減ったことなど、環境因子が原因と思われます。

 幼児期にピロリ菌に感染しても、特別な症状はありません。また、大人になってから初めて感染した場合、痛みを伴う急性胃炎を引き起こす場合もありますが、持続感染では特異的な症状がなく経過します。
 しかし持続感染では、菌が出すウレアーゼという酵素と胃内の尿素が反応して発生するアンモニア等が、胃粘膜を傷つけます。この状態が続くと、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍など、胃粘膜の障害につながります。さらに感染が続くと、胃の老化が進み、胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎や、胃粘膜が腸の粘膜のように変化する腸上皮化が起こってきます。萎縮性胃炎や腸上皮化の胃からは、胃がんの発生率が高まります。

 これまで述べてきたように、ピロリ菌がいろいろな病気の一因になっていることが分かってきました。よって、ピロリ菌を退治(除菌)することができれば、病気の予防や改善になるわけです。
 除菌治療は、除菌薬を1週間服用します。除菌成功率は約75%ですが、耐性菌(薬が効きにくいピロリ菌)の場合は、除菌薬を変更して再治療することで90%以上除菌が可能です。ただし、すべての方が除菌治療の対象になるとは限らないので、専門の医療機関でよく相談することをお勧めいたします。
【荘内銀行情報誌『凛』46 2014冬号 より転載】

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