最上川峡舟くだり

①乗船
①乗船

2014年10月23日、紅葉シーズン真っただ中の最上峡舟くだりを体験してまいりました。

午前9時30分古口港(戸沢藩船番所)より乗船。

胸を躍らせながら、静かに船内へと降りて行きます。①

船頭さんは、「星川遼子」さん。「癒し №1」というキャッチコピーが付いているだけあって、すぐにお客様から「りょうこちゃん」と呼ばれ、和やかな雰囲気を作り出していました。

②お天気に恵まれた最高の舟くだり日和♪
②お天気に恵まれた最高の舟くだり日和♪

ご一緒した団体さまは、信州は佐久市(長野県)よりお越しの、「コーラス集いの会」の皆さま。写真の撮影もご快諾いただき、緊張が少しほぐれたところで舟旅はスタートしました。

朝は濃いもやがかかり、景色が見えるのか心配されましたが、出港すると間もなく、舞台の幕が上がるかのように、もやは消え、主役の紅葉が目の前に広がりました。②
風も心地よく、まさに舟くだり日和です♪

③ 甘酒や、玉こんもある川のコンビニ
③ 甘酒や、玉こんもある川のコンビニ

船頭さん曰く、「川のコンビニ」に到着しました。甘酒、ジュース、アイスクリーム、お酒、玉こんにゃく。舟を降りなくても、店員さんが手際よく品物を持ってきてくれます。③

船頭さんは、この日「真室川音頭」「最上川舟歌」「英語版!最上川舟歌」「花笠音頭」を歌ってくださいました。それが驚くほど美声!「コーラス集いの会」のお客さまのお囃子も上手で、船内はどんどん笑顔に包まれていきます。④

④ 船頭さんのやさしい庄内弁と素晴らしい歌声に船内はどんどん盛り上がっていきます。
④ 船頭さんのやさしい庄内弁と素晴らしい歌声に船内はどんどん盛り上がっていきます。

船頭さんの話した言葉は、「の~」が頻繁に登場する「庄内弁」。
皆さまにはめずらしいようで、「の~」を真似したり、「おしん」などで勉強された「がんす」なども飛び出し、会話が弾んでいました。土地の言葉も旅の気分を盛り上げますよね。

川をのんびり進んでいくと、道路側の景色もすばらしいことに気が付きます。国道47号線を走っている時には見られない、裏の景色です。舟に乗っているからこそ得られた特権と思うと、余計にじっくり見入ってしまいます。⑤

赤、オレンジ、ピンク、黄緑、緑。まるでお花見の時期のような華かな山もあり、どこの景色を見ても飽きることはありません。
赤、オレンジ、ピンク、黄緑、緑。まるでお花見の時期のような華かな山もあり、どこの景色を見ても飽きることはありません。
⑤ たびたび他の舟とすれ違います。見知らぬ人と手を振り合い、童心にかえった気分。
⑤ たびたび他の舟とすれ違います。見知らぬ人と手を振り合い、童心にかえった気分。
「最上川舟歌」
ヨーイサノマカショ エーンヤコラマーカセー エーエンヤエーエンヤーエーエ エーエンヤエートヨーイサノマカショ エーンヤコラマーカセー
酒田さ行ぐさげ 達者でろチャ ヨイトコラサノエー 流行風邪など引がねよに
エーエンヤエーエンヤエーエ エーエンヤエート ヨーイサノマカショ エーンヤコラマーカセー
股ん大根の塩汁煮 塩がしょっぱくて くらわんねぇチャ
エーエンヤエーエ エーエンヤエート ヨーイサノマカショ エーンヤコラマカセー
⑦ 終点近くの白糸の滝
⑦ 終点近くの白糸の滝

⑦白糸の滝が見えると、もうそろそろお別れです。

最後は、花笠音頭を船頭さんが踊り、皆さま合唱、お囃子、手拍子で最高の盛り上がり。⑧

「ああ、もう一時間たったの?」
お客様が思わず名残惜しい気持ちになってしまうほど、
楽しい時間を過ごすことが出来ました。

⑧ 花笠音頭で船旅の締め。この日最高の盛り上がりです♪
⑧ 花笠音頭で船旅の締め。この日最高の盛り上がりです♪

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癒しナンバー1船頭 星川さんにインタビューしました

──船頭さんになられてどれ位ですか?特徴的なお仕事ですが、なぜ先頭さんになられたのですか?

船頭になって9年目になります。私は、音楽を専門とする学校で学んでいました。卒業制作として「最上川舟歌」を選びましたが、納得のいく結果が出ず、ずっと心に残っていました。そのような想いがあり、地元に帰ってきたときに歌を歌える船頭の仕事を希望しました。
現在4名ほど女性の船頭がいますが、当時は2名ほどしかいなくて募集もしていなかったので、入社当時は事務の仕事から始まりました。星川さん

──たくさん個性的な船頭さんがいますが、星川さんのこだわりはありますか?

「最上川舟歌」についてですが、歌詞は単純な言葉で綴られています。しかしその意味合いの奥が深く、また四季折々の景色が見えるような素晴らしい歌ですので特に心を込めて歌っています。あとは、庄内弁を使うこと、そして、きれいな景色を奇麗な舟で見ていただくために、窓などすべて汚れがないように清掃には特に気を付けています。また、多い時で一日3回、最高4回舟に乗ります。ガイドの仕事だけではなく、舟の管理、安全管理にも充分に気を付けています。

──海外からのお客様も多いと伺いましたが、どのような対応をされているのですか?

「最上川舟歌」を、英語、中国語、韓国語に加えて昨年からフランス語でも歌っています。朝礼で船頭全員外国語で歌う練習も行っています。先日、フランス人から発音がうまいと言われたんですよ。

──今回は、英語の舟歌を聴かせてくれましたが、今度はフランス語で聴いてみたいです。
県外、国外の観光客が集まる舟くだりですが、もっと地元の方にも利用していただきたいと星川さん。職場や仲間で気軽に宴会を開いたり、子どもを連れて家族で乗ればとてもいい思い出になりそうですよね。
一番人気の高い紅葉の時期に次いで、年末年始もお客様がたくさんいらっしゃるそう。こたつ舟で温まりながら、雪景色をゆっくり眺めるのも乙ですね。

流石、癒しナンバー1の船頭さん。心から景色を堪能することが出来ました。どうもありがとうございました。

協力:最上峡芭蕉ライン観光株式会社