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| 東北公益文科大学 「現代と公益」より | |
| 3.生薬として | |
| 紅花の薬効としての度史も古いです。古代ローマのデイオリスコリデスの「薬物誌」(1世紀後半)には種子を砕き、熱湯を注いで搾り取った油を緩下剤や促乳剤として利用しています。インドでも古くから薬効として、種子油を痰、尿砂石排出、排尿困難の治療に内服薬として、虫刺されや掻痒性皮膚病、リューマチなどに外用しています。また花を煎じて麻疹(はしか)や小児の皮膚病に用いています。 中国では明の時代、1590年刊の「本草綱目」に紅の薬用の効用が記されています。花を産後の血行不良などの血の道症に用い、妊婦には通経作用があるために用いられていません。「図経本草」によりますと、急性慢性の筋肉過労損傷、打撲症、床ずれ、冠心病、胼抵などの治療に使われていました。 欧米では紅花ははしかなどの発疹を促進するための発汗剤、下剤として用いられています。東洋医学では、胎毒下し、血液の緩下作用、発汗解熱利尿作用、貧血出血など循環器系の疫病、発疹や湿疹などの皮膚疾患、血液代謝の婦人科諸疾患、神経痛の鎮痛剤として利用されています。 わが国においては、紅には人間の血行をよくし、冷えから肌を守る働きがあるということから、女性は紅染めの肌着やお腰を身につけていました。紅染めの縮緬の長橋絆や紅絹裏がはやり、紅が肌を包むということだと思われます。 村山地方の古い習慣では、子供が疱瘡にかかった時はひどくならないように花染木綿で頭巾を作り、それをかぶせたといわれています。また全国的に集まってきた近世の出羽三山行者は参拝記念の土産として花染め木綿を求め、子供の腹巻や夫人の腰巻などに冷えを防ぐものとして大いに喜ばれたと最上関係の諸書に記されています。また武士や修験者は印籠の中に「紅」をキズ薬として携行していたそうです。 茎や葉は煎じて痛経剤として飲まれていました。 現在、わが国では「コウカ」として生薬に用いられています。薬理作用には、血圧降下作用、血流改善作用、鎮痛作用、抗腫瘍作用、抗炎症作用、および免疫賦活作用が明らかにされています。現在「コウカ」を用いた漢方処方が狭心症や軽度の心臓の痛み、高血圧、血管硬化、脳卒中の半身不随、床ずれ、しもやけ、打ち身、ねんざ、手足のたこ、月経困琴月経通、更年期障害、婦人病などに用いられています。方剤としては、滋血潤腸湯、治頭瘡一方、通導散などがあります。 |
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