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海坂藩研究所 > 藤沢周平の世界を訪ねて > 10. 本町二丁目(三屋清左衛門残日録)
はじめに
1 金峯山
2 高坂
3 民田
4 湯田川温泉
5 井岡寺
6 小真木
(日枝神社)
7 内川(筬橋)
8 総穏寺
9 大督寺
10 本町二丁目
(七日町)
11 庄内藩校致道館
12 鶴岡公園
13 家中新町
14 内川
(三雪橋)
15 大泉橋
16 龍覚寺
17 般若寺
18 善宝寺
(連載終了)
 「本町二丁目」は、作品「三屋清左衛門残日録」では「花房町」と呼んでいる。

 三屋清左衛門は、ある程度出世して定年円満退職をした、現代にも同じ境遇の人が多い人物像である。難事件を解決する小気味良さに共鳴したり、脇役の町奉行佐伯熊太や嫁の里江、小料理屋「涌井」の女将みさとの会話に、現役時代の懐かしい出来事を思い出す。

 案内標柱は七日町通り三浦屋の門の脇にある。清左衛門が冬の寒い日に
「ほどよい寒さと肴で酒が旨かった」
と感慨に耽るシーンがあるが、庄内の酒と肴は実に旨い。清左衛門の好物は「風呂吹き大根に茗荷」「サクラマスの焼き魚」「シラガニ」であり、佐伯熊太は「赤かぶ漬」が好物である。 庄内名物には「寒鱈汁(タラのドンガラ汁)」や「カラゲ(エイの干物)」「ハタハタの湯上げ」「クチボソの焼き魚」「民田茄子」「しめじ」などがあり、小説の中に登場する。
 残日録の文中で心に残るのは、若い頃に殿様に聞かれるままに友人 小木慶三郎の噂話をしたこと。その後友は左遷され不遇に過ごしているのは、自分の噂話のためかと気になって苦しい夢を見る。死ぬまで悪夢を見続けてはかなわないから、久し振りに友を訪ねて話をしてみると、左遷の原因が清左衛門には無いことが判りホットする。

 晩年に過去を振り返ると、清左衛門の秘めた悩みは、高齢者層に相通じるものがある。藤沢周平フアンが高齢者に多いのは、似通う人生の喜怒哀楽を巧みに突いているからである。
三屋清左衛門残日録の案内標柱
三浦屋
[DATA 2004.12.28]


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