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「龍覚寺」は、作品「蝉しぐれ」では「龍興寺」と呼んでいる。
牧文四郎の父助左衛門が藩の政争に巻き込まれ龍興寺で切腹をする。
「龍興寺は城下の北東、百人町にある大寺である。門内に入ると境内の砂利に、午後の白い日が照りつけていた。鐘楼の本堂の裏にかけて、小暗い森ほどに杉や雑木生いしげり、そこにも蝉が鳴いていた。」
龍覚寺の境内に大きな杉の木がある。訪ねた時も蝉の鳴き声が聞こえた。同じ情景の中で文四郎は車に敷いたむしろの上に父の遺体を移し、炎天下で身体に余る物を運ぶ蟻のようによろめきながら車を引いた。
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| 罪名を着た者の子に手を貸すことは憚られ、重い車に精根尽きはてて喘いでいる文四郎の眼に、小走りに駆けて来る少女ふくの姿が映る。ふくは車の上の遺体に手を合わせてから梶棒を掴み、一心な力をこめて梶棒をひいていた。 |
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| 「蝉しぐれ」 龍覚寺本堂 |
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| [DATA 2005.3.29] |
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